tabuchi:mlcf法の紹介
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
両方とも前のリビジョン前のリビジョン次のリビジョン | 前のリビジョン | ||
tabuchi:mlcf法の紹介 [2020/05/25 08:36] – mtab | tabuchi:mlcf法の紹介 [2023/11/24 03:17] (現在) – [1.2 MLCF での解析] mtab | ||
---|---|---|---|
行 26: | 行 26: | ||
MLCFと通常のLCFのもっとも大きな違いは、LCFでは解析に使うリファレンスとなるスペクトル、解析対象のスペクトル共に予めエッジジャンプが1で、ベースラインがフラットになるように規格化されているのに対して、MLCFでは解析対象のスペクトルは規格化されていないものを扱うことである。このため、MLCF ではエネルギー方向の測定点数が少なく事前には規格化ができないようなデータも扱うことができる。 | MLCFと通常のLCFのもっとも大きな違いは、LCFでは解析に使うリファレンスとなるスペクトル、解析対象のスペクトル共に予めエッジジャンプが1で、ベースラインがフラットになるように規格化されているのに対して、MLCFでは解析対象のスペクトルは規格化されていないものを扱うことである。このため、MLCF ではエネルギー方向の測定点数が少なく事前には規格化ができないようなデータも扱うことができる。 | ||
<WRAP center 90%> | <WRAP center 90%> | ||
- | ^ 手法 | + | ^ 手法 |
- | | LCF | 規格化 | + | | LCF |
- | | MLCF | 規格化 | + | | MLCF | 規格化 |
</ | </ | ||
行 34: | 行 34: | ||
規格化の為に必要な情報を得ることも解析のプロセスの一部に取り込んでいる。 | 規格化の為に必要な情報を得ることも解析のプロセスの一部に取り込んでいる。 | ||
- | ==== 1.1 LCFでの解析 ==== | + | ==== - LCFでの解析 ==== |
(規格化された)標準試料のスペクトルをSi(E) (i=1,2,3,…: 標準試料の指標)とし、 | (規格化された)標準試料のスペクトルをSi(E) (i=1,2,3,…: 標準試料の指標)とし、 | ||
行 47: | 行 47: | ||
を最小にするαiを見つける問題に落ち着き、これは簡単に解くことができる。 | を最小にするαiを見つける問題に落ち着き、これは簡単に解くことができる。 | ||
- | ==== 1.2 MLCF での解析 ==== | + | ==== - MLCF での解析 ==== |
上記の LCF の解析では、対象試料のスペクトルが事前に規格化されていることを前提にした。 | 上記の LCF の解析では、対象試料のスペクトルが事前に規格化されていることを前提にした。 | ||
規格化の手続きは | 規格化の手続きは | ||
行 56: | 行 56: | ||
μt0 を μt0(E)=C0+C1E や μt0(E)=C0+C1E−3+C2E−4 の様にパラメータを用いて近似するなら、そのパラメータも最小二乗の対象にしてαiと同時に決定することができる。 | μt0 を μt0(E)=C0+C1E や μt0(E)=C0+C1E−3+C2E−4 の様にパラメータを用いて近似するなら、そのパラメータも最小二乗の対象にしてαiと同時に決定することができる。 | ||
これが MLCF の考え方である。 | これが MLCF の考え方である。 | ||
- | $\mu t0として\mu t_0(E) = C_0 + C_1 E$を採用した場合を具体的に書いてみる。 | + | $\mu t_0として\mu t_0(E) = C_0 + C_1 E$を採用した場合を具体的に書いてみる。 |
\[ | \[ | ||
行 62: | 行 62: | ||
\] | \] | ||
の ¯μt を | の ¯μt を | ||
- | $\overline{\mu t}(E) = \frac{\mu t(E)-\mu t_0(E)}{\Delta\mu t} = \frac{\mu t(E)-C_0-C_1 E}{\Delta\mu t}$ | + | \[ |
+ | | ||
+ | \] | ||
と置き換えると、 | と置き換えると、 | ||
\[ | \[ | ||
R = | \Sigma_k \{ \frac{\mu t(E)-C_0-C_1 E}{\Delta\mu t} - \Sigma_i \alpha_i S_i(E_k) \} |^2 | R = | \Sigma_k \{ \frac{\mu t(E)-C_0-C_1 E}{\Delta\mu t} - \Sigma_i \alpha_i S_i(E_k) \} |^2 | ||
\] | \] | ||
- | と書ける。Δμt>0なので、RΔμt=R′ と書くことにすると、 | + | と書ける。RΔμt=R′ と書くことにすると、 |
\[ | \[ | ||
R' = | \Sigma_k \{ \mu t(E)-C_0-C_1 E - \Sigma_i \alpha_i \Delta\mu t S_i(E_k) \} |^2 | R' = | \Sigma_k \{ \mu t(E)-C_0-C_1 E - \Sigma_i \alpha_i \Delta\mu t S_i(E_k) \} |^2 | ||
\] | \] | ||
- | の R′を最小にすることとRを最小にすることは等価である。 | + | Δμt>0なので、 |
+ | R′を最小にすることとRを最小にすることは等価である。 | ||
さらに、表記を簡単にするために αiΔμt=α′iと書くことにすると、 | さらに、表記を簡単にするために αiΔμt=α′iと書くことにすると、 | ||
行 91: | 行 94: | ||
- | + | ----- | |
+ | 当 web ページとその下のページに関するお問い合わせ等ございましたら、[[連絡先|連絡先]]にご連絡をお願いします。 \\ | ||
+ | [[start|田渕のページのルート]] | ||
tabuchi/mlcf法の紹介.1590395792.txt.gz · 最終更新: 2020/05/25 08:36 by mtab