2020年4月29日、新登場!
Demeter の Wrapper です。
cif ファイルや FeFF の入力ファイルから atoms / feff を使用して $\chi(k)$ を計算します。
バッチ処理的に複数の cif ファイルや FeFF 入力ファイルからまとめて計算することを主な目的にしています。
cif から atoms が生成した feff.inp ファイルを編集した上で feff を走らせるような対話的な使用もできます。
大事な念押し : このツールは XAFS に関連して cif のデータを扱うツールですが、本来 XAFS の解析のスタート地点として、cif ファイルや、結晶構造に関する情報は不要です。結晶性の試料を調べるときに結晶構造の知識や cif ファイルをもって XAFS 解析を始めるのが有用な時はありますが、それが必須ではありません。蛇足ながら念のため。
「実行ファイルのパッケージ」には、3つのフォルダ 00-CIF, 00-INP, 00-RES も含まれていますが、これらは実行時の標準的な環境の例です。config.cfg の設定次第で他の場所にあっても、別の名前であっても構いません。
ほとんど変更する必要はありませんが、 DEMETER_BASE 行は確認して編集してください。また入手した feff6l.exe あるいは feff85L.exe を指定する FEFF_EXE もファイルを置いた場所に合わせて編集して下さい。
DEMETER_BASE "C:/DemeterBase"
になっていますが、 普通は
DEMETER_BASE "C:/User/ユーザー名/AppData/Roaming/DemeterPerl"
になると思います
(「ユーザー名」は適宜入力してください)。
フォルダー名の区切り記号が Windows標準の “\” (“¥”記号) ではなく、“/” なのに注意してください。
config.cfg では、フォルダの区切り記号として “/” を使います。
FEFF_EXE "C:/Feff6ldist/feff6l.exe"
の様に指定することになります。 実行ファイルは feff85L.exe でも構いません。 普通の feff6l.exe や feff85L.exe を使うなら FEFF_ARG は設定する必要はありません。 (コメントアウトしておくか、FEFF_ARG “” とする)
CLEAR_FEFF_DAT 1 # 元々あった feff*.dat を消す 1 : 消さない 0 CLEAR_CHI_DAT 1 # 元々あった chi.dat chip*.dat を消す : 消さない 0
消去しないと、例えば、 「元々の条件では feff0013.dat が生成されていたが、新しい条件では feff0012.dat までしか作られない」というような場合、 feff0012.dat までは新しいファイルで置き換わりますが、feff0013.dat だけは古いものが残ってしまいます。
FEFF_INP [キーワード] [パラメータ]
の様に指定すると、atoms が生成した feff.inp ファイルの中の「キーワード」で始まる行のパラメータを 指定した「パラメータ」で置き換えることができます。 各パスごとの $\chi(k)$ や $\chi(R)$ を表示したい場合、 atoms が生成する標準の feff.inp ではそのためのデータが作られないので 次の例の様に PRINT 行を編集する必要が有ります。
FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 0 2 # feff85L.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成する #FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 0 0 # feff85L.exe 用の設定。 generate chipNNNN.dat を生成しない #FEFF_INP PRINT 0 0 0 2 # Feff6l.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成する #FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 # Feff6l.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成しない
K_MIN 3.0 K_MAX 20.0 K_DELTA 0.05 R_MIN 0.0 R_MAX 8.0 R_DELTA 0.01
ここで、各パラメータは次のような意味を持ちます。
パラメータ名 | 意味 | デフォルト値 |
---|---|---|
K_MIN | $k$ 空間での変換範囲の最小値 | 3 |
K_MAX | $k$ 空間での変換範囲の最大値 | 20 |
K_DELTA | $k$ 空間での刻み幅3) | 0.05 |
R_MIN | $R$ 空間での変換範囲の最小値 | 0 |
R_MAX | $R$ 空間での変換範囲の最大値 | 8 |
R_DELTA | $R$ 空間での刻み幅 | 0.01 |
config.cfg の文字コードが UTF(UTF-8) の場合、直前の行に日本語のコメントが書かれていると正常に読めないことがあるようです。 その場合には、日本語のコメントのある行と設定を書いた行の間に空白行を入れるか、文字コードを S-JIS にしてみてください。
うまく動作しない場合、「❏ atoms出力」、「❏ feff出力」などのボタンを押してみて下さい。 それぞれ atoms/feff を起動(しようと)した際のコンソール出力が表示されます。 これを見ると atoms, feff のどちらが動作していないか判断できます。
想定していた最低限の機能を実装したので一旦完成。 すぐに作業する予定はないですが、
等の変更は想定しています。
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