InGaAsP系III-V族化合物半導体超格子のX線回折のシミュレーション計算を行います。 一回散乱近似で、超格子部分だけの反射の計算を行っています。
解凍した時にできるフォルダの中の、dll ファイルと platforms, styles という二つのフォルダは 実行ファイル simSL.exe と同じ場所に置いておいて下さい。examples は、計算用の設定ファイルの例を収めています。
simSL.exe を起動すると次のような window が現れます。 超格子の層構造など計算に必要な情報を納めたテキストファイル(「条件ファイル」と呼ぶ)を準備し、最上部に現れる「Drop Structure File」にドラッグ/ドロップすると計算されます。 ダウンロードしたファイルの中にある、examples というフォルダに条件ファイルの例が幾つか入っています。 examples の中にある、SL-ex0.exe 等を、ドラッグ/ドロップしてみて下さい。
計算結果は画面に表示されますが、ファイルとしても保存されます。
ドラッグ・ドロップでしたファイルがあった場所に、同じ名前(但し名前の末尾に '-cmp'、'-dif' という文字列が付け加わった名前)のファイルができます。
'-cmp' が付いたファイルは、「条件ファイル」を解釈した結果の1周期分の組成分布が記録されています。
'-dif' が付いたファイルは、計算された回折強度です。
条件ファイルの書き方説明するために
この節の末尾に条件ファイルの一例を示します。
これは、ダウンロードしたファイルを展開した時にできる examples の中の SL-ex0.txt の内容です。
# X線の波長(オングストローム単位)
行の途中に '#' 記号が現れた場合もそれ以降はコメントです。
WAVELENGTH 1.500
SUBSTRATE 1.0 0.0 0 # x = 1.0, y = 0.0 すなわち InP 0 : 0 基板を加算する : 1 しない
LAYER 10 1.0 0.0 ABRUPT 0 0.53 1.0 ABRUPT 0 0.53 1.0
他の例も確認してみて下さい。
# X線の波長(オングストローム単位) WAVELENGTH 1.500 # 基板の組成 : In_x Ga_(1-x) As_y P_(1-y) # SUBSTRATE III族組成x V族組成y SUBSTRATE 1.0 0.0 0 # x = 1.0, y = 0.0 すなわち InP 0 : 0 基板を加算する : 1 しない # 超格子を構成する LAYER の指定 # LAYER 厚さ[ML] III続組成x V族組成y 上界面の指定 下界面の指定 # "界面の指定" :: ABRUPT / LINEAR / PARABOLIC 遷移層の厚さ[ML] 界面の先の層のIII続組成x V族組成y # 「遷移層」は LAYER の厚さの内にとられる。(LAYER 10 で遷移層が上下ともに 4 だとすると) # 4ML遷移層/2ML指定組成の層/4ML遷移層 になる。 # 10ML の InP で、上下ともにアブラプトに組成変化 (遷移層厚や、上下の組成は意味がない) LAYER 10 1.0 0.0 ABRUPT 0 0.53 1.0 ABRUPT 0 0.53 1.0 # 10ML の InGaAs で、上下ともにアブラプトに組成変化 LAYER 10 0.53 1.0 ABRUPT 0 1.0 0.0 ABRUPT 0 1.00 0.0 # 超格子の繰返し回数 REPEAT 20