tabuchi:feffmanager
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tabuchi:feffmanager [2020/05/25 06:54] – [Table] mtab | tabuchi:feffmanager [2022/11/15 07:17] (現在) – [2. ダウンロード] mtab | ||
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行 3: | 行 3: | ||
2020年4月29日、新登場! | 2020年4月29日、新登場! | ||
- | ===== 1. 概要 ===== | + | ===== - 概要 ===== |
Demeter の Wrapper です。\\ | Demeter の Wrapper です。\\ | ||
cif ファイルや FeFF の入力ファイルから atoms / feff を使用して $\chi(k)$ を計算します。 | cif ファイルや FeFF の入力ファイルから atoms / feff を使用して $\chi(k)$ を計算します。 | ||
行 14: | 行 14: | ||
- | ===== 2. ダウンロード ===== | + | ===== - ダウンロード ===== |
- | * {{ : | + | |
- | * {{ : | + | * {{ : |
+ | 最新版です | ||
+ | * {{ : | ||
+ | 下のfeffmanager-pac.zip をダウンロード解凍した上で、feffManager.exe を | ||
+ | 最新の feffmanager-simple-pac-*-.zip にあるものと置き換えてください。 | ||
+ | | ||
+ | ここにある config.cfg は一つ古い2020.5.22 の更新差分のものと同じです。 | ||
+ | * {{ : | ||
+ | 実行ファイル ( feffManager.exe ) と、実行に必要な dll ファイルおよびフォルダ (platforms, styles)、 | ||
+ | 設定ファイル config.cfg が含まれています。 | ||
+ | feffManager.exe の実行時これらはこのまま全部一つのフォルダに置いて下さい。 | ||
+ | |||
「実行ファイルのパッケージ」には、3つのフォルダ 00-CIF, 00-INP, 00-RES も含まれていますが、これらは実行時の標準的な環境の例です。config.cfg の設定次第で他の場所にあっても、別の名前であっても構いません。 | 「実行ファイルのパッケージ」には、3つのフォルダ 00-CIF, 00-INP, 00-RES も含まれていますが、これらは実行時の標準的な環境の例です。config.cfg の設定次第で他の場所にあっても、別の名前であっても構いません。 | ||
- | ===== 3. 使用準備 : インストールと設定 ===== | + | ===== - 使用準備 : インストールと設定 ===== |
- | ==== 3.1 インストール ==== | + | |
+ | ==== - インストール ==== | ||
- 上記 feffManager 本体をダウンロードして、どこかに展開して下さい。 | - 上記 feffManager 本体をダウンロードして、どこかに展開して下さい。 | ||
- | - feffManager は demeter (athene / artemis を含む一群のツール。ここで実質使っているのは atoms だけです)を利用して動きます。まず demeter をインストールしてください。demeter は[[https:// | + | - feffManager は demeter (athene / artemis を含む一群のツール。ここで実質使っているのは atoms だけです)を |
- | - chi.dat ($\chi(k)$ を納めたファイル) の生成を feff に任せたかったのですが、demeter に同梱されている feff6.exe では chi.dat の生成ができないようなので(できるのかもしれませんがわからなかったので)、別途 feff をインストールします。\\ {{ http:// | + | |
- | ==== 3.2 設定の確認 : config.cfg の編集 ==== | + | |
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | - chi.dat ($\chi(k)$ を納めたファイル) の生成を feff に任せたかったのですが、 | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | 上記本家 web サイトからダウンロードできる feff6l のファイルが .tgz だったので zip 圧縮に直しました。{{ : | ||
+ | |||
+ | ==== - 設定の確認 : config.cfg の編集 ==== | ||
ほとんど変更する必要はありませんが、< | ほとんど変更する必要はありませんが、< | ||
- | - **コメント** : config.cfg 内の各行で "#" | + | - **コメント** : |
- | - **DEMETER_BASE の指定** : demeter をインストールすると色々なファイルがインストールされますが、その起点となるフォルダ名を指定します。demeter のインストール時に指定したフォルダです。zip ファイルにある config.cfg では仮に < | + | |
- | - **FEFF_EXE の指定** : demeter とは別に入手/ | + | - **DEMETER_BASE の指定** : |
- | - **feff 実行時に feffNNNN.dat, | + | |
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | - **FEFF_EXE の指定** : | ||
+ | | ||
+ | ((demeter 付属の feff6 は chi.dat を作ってくれないので、$\chi(k)$、$\chi(R)$ の姿を見たいなら、demeter とは別に feff6l.exe / feff85L.exe をインストールして下さい))。 | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | - **feff 実行時に feffNNNN.dat, | ||
+ | | ||
+ | | ||
CLEAR_FEFF_DAT 1 # 元々あった feff*.dat を消す 1 : 消さない 0 | CLEAR_FEFF_DAT 1 # 元々あった feff*.dat を消す 1 : 消さない 0 | ||
- | CLEAR_CHI_DAT 1 # 元々あった chi.dat chip*.dat を消す : 消さない 0</ | + | CLEAR_CHI_DAT 1 # 元々あった chi.dat chip*.dat を消す : 消さない 0 |
- | - **atomsが生成したfeff.inpファイルの特定行の置き換え** : < | + | </ |
+ | 消去しないと、例えば、 | ||
+ | 「元々の条件では feff0013.dat が生成されていたが、新しい条件では feff0012.dat までしか作られない」というような場合、 | ||
+ | feff0012.dat までは新しいファイルで置き換わりますが、feff0013.dat だけは古いものが残ってしまいます。 | ||
+ | - **atomsが生成したfeff.inpファイルの特定行の置き換え** : | ||
+ | | ||
+ | FEFF_INP [キーワード] [パラメータ] | ||
+ | </ | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 0 2 # feff85L.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成する | FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 0 2 # feff85L.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成する | ||
#FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 0 0 # feff85L.exe 用の設定。 generate chipNNNN.dat を生成しない | #FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 0 0 # feff85L.exe 用の設定。 generate chipNNNN.dat を生成しない | ||
#FEFF_INP PRINT 0 0 0 2 # Feff6l.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成する | #FEFF_INP PRINT 0 0 0 2 # Feff6l.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成する | ||
- | #FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 # Feff6l.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成しない</ | + | #FEFF_INP PRINT 0 0 0 0 # Feff6l.exe 用の設定。 chipNNNN.dat を生成しない |
- | - **$\chi(k)$から$\chi(R)$への変換条件の設定** : 必要に応じて以下の 6つのパラメータを設定してください。例えば次のようになります。< | + | </ |
+ | - **$\chi(k)$から$\chi(R)$への変換条件の設定** : | ||
+ | | ||
+ | | ||
K_MIN 3.0 | K_MIN 3.0 | ||
K_MAX 20.0 | K_MAX 20.0 | ||
行 47: | 行 110: | ||
R_MAX 8.0 | R_MAX 8.0 | ||
R_DELTA | R_DELTA | ||
- | </ | + | </ |
+ | | ||
+ | | ||
^ パラメータ名 | ^ パラメータ名 | ||
^ K_MIN | $k$ 空間での変換範囲の最小値 | ^ K_MIN | $k$ 空間での変換範囲の最小値 | ||
行 57: | 行 122: | ||
^ R_DELTA | ^ R_DELTA | ||
</ | </ | ||
- | - **MAX_PROC の指定** : feffManager が同時に起動する atoms や feff 等の外部プロセスの最大数の指定です。\\ 使っている PC の CPU 仮想コア数(4コアのCore-i7 なら 8, 4コアのCore-i5なら 4)より 1〜2 程度小さな数字が適当ではと予想していましたが、実際にはもっと大きな数字の方が性能が出るようです。それぞれの環境で最適値を探ってみて下さい。 | + | - **MAX_PROC の指定** : |
- | - **作業フォルダの確認** : zip ファイルにある config.cfg ではコメントになっていますが、必要に応じてコメント記号("#" | + | |
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | - **作業フォルダの確認** : | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
+ | | ||
<WRAP center round important 60%> | <WRAP center round important 60%> | ||
行 64: | 行 138: | ||
その場合には、日本語のコメントのある行と設定を書いた行の間に空白行を入れるか、文字コードを S-JIS にしてみてください。 | その場合には、日本語のコメントのある行と設定を書いた行の間に空白行を入れるか、文字コードを S-JIS にしてみてください。 | ||
</ | </ | ||
- | ===== 4. 使い方と機能の概略 ===== | ||
- | - 00-CIF フォルダ内に何か cif ファイルを置いて feffManager を起動すると、feffManager は自動的にそのファイルを読んで atoms, feff を連続実行します。結果は 00-RES フォルダに置かれます。\\ また、00-INP フォルダ内に何か FeFF の入力ファイルがあればそれも自動的に読み込んで feff を実行し、結果が 00-RES フォルダに置かれます。 | ||
- | - 与えられたファイルが本当に cif ファイルや FeFF の inp ファイルかどうかの判定は特に行いません。00-CIF フォルダにある " | ||
- | - 00-RES フォルダ内には、cif ファイルや inp ファイルの拡張子部分( " | ||
- | - 00-CIF フォルダには " | ||
- | - この様に幾つかの cif ファイル FeFF 入力ファイルを処理した時の feffManager のスクリーンショットは{{ | ||
- | - 「Atoms出力」(これが feff の入力ファイルになる)を表示して適宜編集した後「feff.inp更新」ボタンを押すと、00-RES にある feff.inp ファイルが編集されたものと置き換わります。そのあと「FeFF再起動」ボタンを押すと新しい feff.inp ファイルで再計算されます。「Atoms出力」の編集と「feff.inp更新」を使わずに直接 00-RES 内の feff.inp を編集/ | ||
- | - 事前に 00-CIF, 00-INP にファイルを準備するのではなく、feffManager 起動後に cif ファイルや inp ファイルを指定して計算を行うこともできます。その場合には、画面上部にある「ファイルドロップエリア」に cif ファイルや inp ファイルをドロップしてください。ドロップしたファイルが 00-CIF や 00-INP にあった時と同様に計算が行われ 00-RES に結果が置かれます。 | ||
- | ===== 5. 今後の予定 ===== | + | ===== - 使い方と機能の概略 ===== |
+ | |||
+ | - 00-CIF フォルダ内に何か cif ファイルを置いて feffManager を起動すると、 | ||
+ | feffManager は自動的にそのファイルを読んで atoms, feff を連続実行します。 | ||
+ | 結果は 00-RES フォルダに置かれます。\\ | ||
+ | また、00-INP フォルダ内に何か FeFF の入力ファイルがあればそれも自動的に読み込んで feff を実行し、 | ||
+ | 結果が 00-RES フォルダに置かれます。 | ||
+ | - 与えられたファイルが本当に cif ファイルや FeFF の inp ファイルかどうかの判定は特に行いません。 | ||
+ | 00-CIF フォルダにある "*.cif" という名前のファイル、 | ||
+ | 00-INP フォルダにある " | ||
+ | - 00-RES フォルダ内には、cif ファイルや inp ファイルの拡張子部分( " | ||
+ | その中に結果が置かれます。 | ||
+ | それが cif ファイルや inp ファイルでなかった場合、単に atoms や feff が正常に実行されないだけです。 | ||
+ | - 00-CIF フォルダには " | ||
+ | その場合は atoms の inp ファイルだとみなされて atoms, feff が連続実行されます。 | ||
+ | - この様に幾つかの cif ファイル FeFF 入力ファイルを処理した時の feffManager のスクリーンショットは | ||
+ | {{ : | ||
+ | 「Atoms/ | ||
+ | 名前が表示されます。 | ||
+ | 行内の「Atoms出力」「FeFF出力」などのチェックボックスをチェックすると、 | ||
+ | それぞれのファイルについて Atoms, feff を実行したときの出力の記録が表示されます。 | ||
+ | - 「Atoms出力」(これが feff の入力ファイルになる)を表示して適宜編集した後「feff.inp更新」ボタンを押すと、 | ||
+ | 00-RES にある feff.inp ファイルが編集されたものと置き換わります。 | ||
+ | その後「FeFF再起動」ボタンを押すと新しい feff.inp ファイルで再計算されます。 | ||
+ | 「Atoms出力」の編集と「feff.inp更新」を使わずに直接 00-RES 内の feff.inp を編集/ | ||
+ | 「FeFF再起動」を押しても同様に再計算されます。 | ||
+ | - 事前に 00-CIF, 00-INP にファイルを準備するのではなく、 | ||
+ | feffManager 起動後に cif ファイルや inp ファイルを指定して計算を行うこともできます。 | ||
+ | その場合には、画面上部にある「ファイルドロップエリア」に cif ファイルや inp ファイルをドロップしてください。 | ||
+ | ドロップしたファイルが 00-CIF や 00-INP にあった時と同様に計算が行われ 00-RES に結果が置かれます。 | ||
+ | |||
+ | ===== - 動作しなかったら ===== | ||
+ | うまく動作しない場合、「❏ atoms出力」、「❏ feff出力」などのボタンを押してみて下さい。 | ||
+ | それぞれ atoms/feff を起動(しようと)した際のコンソール出力が表示されます。 | ||
+ | これを見ると atoms, feff のどちらが動作していないか判断できます。 | ||
+ | |||
+ | * atoms がうまく動作していない場合、**DEMETER_BASE の指定** を再度確認してみて下さい。 | ||
+ | 大文字小文字は注意すれば確認可能ですが、全角半角の違いは見た目ではほとんど区別がつかないときがありますので、 | ||
+ | 手入力ではなくコピー/ | ||
+ | * feff がうまく動作していない場合、**FEFF_EXE の指定** を再度確認してみて下さい。 | ||
+ | * どちらが動かない場合も、設定ファイルの文字コードが原因の可能性があります。以下を試してみて下さい。 | ||
+ | - S-JIS でセーブしてみる。 | ||
+ | - 設定を記述している行とコメント行の間に1行以上空白を入れる。 | ||
+ | - コメントを全て消す。 | ||
+ | * 設定ファイルで指定したフォルダに cif ファイルや feff.inp がない可能性もあります。 | ||
+ | デフォルトでは cif ファイルを置くのは feffManager.exe があるフォルダの中の 00-CIF フォルダ、 | ||
+ | feff.inp ファイルを置くのは feffManager.exe があるフォルダの中の 00-INP フォルダです。 | ||
+ | cif ファイルや feff.inp ファイルを実際に置いた場所と、設定ファイルの中で指定した場所が | ||
+ | 一致しているかどうか確認して見て下さい。 | ||
+ | * 他の設定は正しくて、cif ファイルや feff.inp を置くフォルダの指定を間違っている場合なら、 | ||
+ | 「ファイルドロップエリア」にドラッグアンドドロップで cif ファイルや feff.inp ファイルを入れると | ||
+ | 動作するはずなので確認ができます。 | ||
+ | ===== - 今後の予定 ===== | ||
想定していた最低限の機能を実装したので一旦完成。 | 想定していた最低限の機能を実装したので一旦完成。 | ||
行 81: | 行 199: | ||
等の変更は想定しています。 | 等の変更は想定しています。 | ||
- | ===== 6. 履歴 ===== | + | ===== - 履歴 ===== |
+ | - 2020.5.29 : プロセスリストを削除できるようになった(個々の削除/ | ||
- 2020.5.22 : パス毎の $\chi(k)$ や $\chi(R)$ を表示できるようになった。 | - 2020.5.22 : パス毎の $\chi(k)$ や $\chi(R)$ を表示できるようになった。 | ||
+ | {{ : | ||
- 2020.5.13 : $\chi(k)$のフーリエ変換$\chi(R)$の表示。変換結果のファイル出力(chiR.dat) | - 2020.5.13 : $\chi(k)$のフーリエ変換$\chi(R)$の表示。変換結果のファイル出力(chiR.dat) | ||
- 2020.5.05 : 計算された $\chi(k)$ のグラフの表示(最低限) | - 2020.5.05 : 計算された $\chi(k)$ のグラフの表示(最低限) | ||
行 90: | 行 210: | ||
- 2020.4.28 : 公開準備。 | - 2020.4.28 : 公開準備。 | ||
+ | |||
+ | 当 web ページとその下のページに関するお問い合わせ等ございましたら、[[連絡先|連絡先]]にご連絡をお願いします。 \\ | ||
+ | [[start|田渕のページのルート]] |
tabuchi/feffmanager.1590389647.txt.gz · 最終更新: 2020/05/25 06:54 by mtab