tabuchi:detector-meas-system
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tabuchi:detector-meas-system [2020/12/09 16:06] – [2.2 「積分型」という言葉の使い方 2] mtab | tabuchi:detector-meas-system [2020/12/14 15:25] (現在) – [3.1 積分型の検出器/計測系] mtab | ||
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また、「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の中では、 | また、「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の中では、 | ||
- | 「積分型の検出器/ | + | 「積分型の検出器/ |
- | その理由は半分、私自身の理解が十分でないことにも起因していて、どの様に正せばいいのかも難しかったのでそのままになってしまっています。 | + | ですが、どの様に正せばいいのかも難しかったのでそのままになってしまっています。 |
ここで、その混乱した使い方について説明することで、「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」は修正せずにおいても、 | ここで、その混乱した使い方について説明することで、「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」は修正せずにおいても、 | ||
「意味は分かるからいいや」と思ってもらえないかということも期待しています。 | 「意味は分かるからいいや」と思ってもらえないかということも期待しています。 | ||
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==== - 「積分型」という言葉の使い方 1 ==== | ==== - 「積分型」という言葉の使い方 1 ==== | ||
- | 我々が日常的に何かを測る場合、普通はその値は計測時間に依存しません。 | + | 我々が日常的に何かを測る場合、多くの場合はその値は計測時間に依存しません。 |
例えば今現在の気温が 25℃ だった時、10秒間温度計を眺めていても温度は 25℃ です。 | 例えば今現在の気温が 25℃ だった時、10秒間温度計を眺めていても温度は 25℃ です。 | ||
もちろん、気温は時間の関数で朝昼晩違うはずですが、その変化の時間スケールよりも十分短い時間の範囲で測る限り | もちろん、気温は時間の関数で朝昼晩違うはずですが、その変化の時間スケールよりも十分短い時間の範囲で測る限り | ||
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しかし、「電圧時間[V・s]」という量も一つの量なので、これを計測することもあり得えます。 | しかし、「電圧時間[V・s]」という量も一つの量なので、これを計測することもあり得えます。 | ||
- | 1.5Vの乾電池に対して「電圧時間」を測定する計測器があると 0.1秒では 0.15[V・s]、10秒では | + | 1.5Vの乾電池に対して「電圧時間」を測定する計測器があると 0.1秒では 0.15[V・s]、10秒では |
こんな言葉遊びの様な、へ理屈の様な事をあえて書くのは、XAFS測定データに記録される量の多くが後者の単位に時間が入った[V・s]型の量だからです。 | こんな言葉遊びの様な、へ理屈の様な事をあえて書くのは、XAFS測定データに記録される量の多くが後者の単位に時間が入った[V・s]型の量だからです。 | ||
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==== - 「積分型」という言葉の使い方 2 ==== | ==== - 「積分型」という言葉の使い方 2 ==== | ||
- | XAFS測定のことを考えるとき、付随する周辺の計測を別にすると、最も大事なのは「光の強度の測定」です。 | + | XAFS測定のことを考えるとき、付随する周辺の計測を別にすると、最も大事なのは「光(X線)の強度の測定」です。 |
「光の強度」を測ろうとするとき、検出器に到達した光の数(光子/ | 「光の強度」を測ろうとするとき、検出器に到達した光の数(光子/ | ||
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光の強度を測るタイプの検出器もあります。 | 光の強度を測るタイプの検出器もあります。 | ||
「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の中では、この型の検出器/ | 「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の中では、この型の検出器/ | ||
- | 「フォトンカウント型」と対比して「積分型」の」検出器/ | + | 「フォトンカウント型」と対比して「積分型」の検出器/ |
これが、「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の中での「積分型」という言葉のもう一つの使い方です。 | これが、「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の中での「積分型」という言葉のもう一つの使い方です。 | ||
この二つ(「フォトンカウント型」と「積分型」)には明らかに違いがあって、それぞれの特徴などについてはこの後の文章で触れますが、 | この二つ(「フォトンカウント型」と「積分型」)には明らかに違いがあって、それぞれの特徴などについてはこの後の文章で触れますが、 | ||
- | 「「積分型」という言葉の使い方 1」の言葉づかいで言うと、実はどちらも「積分型」と呼ばれるべきものです。 | + | データの記録の際にはどちらも、「「積分型」という言葉の使い方 1」の言葉づかいで言う、「積分型」として記録します。 |
「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の文章はこの点で「積分型」という言葉の使い方が混乱しています。 | 「[[ 9809format | XAFSデータフォーマット ]]」の文章はこの点で「積分型」という言葉の使い方が混乱しています。 | ||
- | ===== - フォトンカウント型と積分型の検出器/ | + | ===== - 積分型とフォトンカウント型の検出器/ |
+ | あいちSRのXAFS測定ビームラインを考えたとき、積分型の検出器/ | ||
+ | また、フォトンカウント型の検出器/ | ||
+ | 以下では、これら二つの計測系を例にとり「積分型」と「フォトンカウント型」の検出器/ | ||
+ | ==== - 積分型の検出器/ | ||
+ | あいちSRでの透過法の測定では、$I_0$、$I_1$ の「検出器」として、イオンチャンバが用いられています(( | ||
+ | 余談ですが、 | ||
+ | この文章では、「測定器」や「計測器」という言葉を使うのを意図的に避けています。 | ||
+ | 電圧を測るテスターや長さを測る定規はそれ一つで対象に関する何かの量を計測し提示してくれるので | ||
+ | 確かに「測定器」とか「計測器」と呼ぶのにふさわしいものです。 | ||
+ | ところが、XAFS測定にはこの様に一つの量の測定に特化してそれ一台で計測から量の提示までをこなしてくれる装置はあまり使われていません。 | ||
+ | 多くの場合は、X線を検出して何らかのシグナルを出す検出器と、そのシグナルを扱って量として提示するためのシステムすなわち測定系の | ||
+ | 組み合わせで計測を行います。 | ||
+ | ))。 | ||
+ | イオンチャンバがX線の検出器として動作する原理はここでは述べませんが、 | ||
+ | その機能としてイオンチャンバは X線が入射したとき、 | ||
+ | その一部を吸収して吸収したX線のエネルギーとフォトン数に比例した電流を発生します。 | ||
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+ | < | ||
+ | | 000 |-@2| AAA |-@2| BBB |-@2| CCC |-@2| DDD |-@2| EEE |000{border-color:# | ||
+ | | 000 | | AAA | | BBB | | CCC | | DDD | | EEE |000{border-color:# | ||
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+ | |||
+ | 電流は電気信号として扱いづらいのでアンプで電圧に変換します(( | ||
+ | BL5S1, 11S2 で使用しているアンプは電流/ | ||
+ | ((この位置のアンプ(増幅器)はよくプリ(前置)アンプと呼ばれます。 | ||
+ | プリアンプの本来の役割は、信号強度が非常に微弱な時、信号源からアンプまでの距離が長いとノイズの影響が大きくなるので | ||
+ | 信号源のすぐ近くに置いてノイズの影響が避けられる程度に信号を増幅しておくことです。 | ||
+ | BL5S1や11S2の使い方では、検出器とアンプの間の配線はそれほど短くありませんし、 | ||
+ | アンプの後に親アンプもありませんので、これを「プリアンプ」と呼ぶかどうかは微妙な所です))。 |
tabuchi/detector-meas-system.1607529974.txt.gz · 最終更新: 2020/12/09 16:06 by mtab